本文
土曜日の午後、學(xué)校が終わってから、日本の友達(dá)と映畫を見に行きました。入場券を買おうと思っていると、友達(dá)が先に行って私のも買ってくれました。
映畫館に入りました。映畫はもう始まっていました。どこかに席はないかと思って、辺りを見回しましたが、暗くて何も見えません。しかたがないので、しばらく後ろに立って見ていました。目が慣れてくるに従ってあたりが少しずつ見え始めました。真ん中あたりに、空いている席が二つ見付かりましたので、急いでいって友達(dá)と並んで腰掛けました。
始めはニュース映畫でした。私の國のこともニュース映畫に出てきました。懐かしい國の景色が映った時は、何とも言えない気持ちになりました。
ニュース映畫の次は日本の劇映畫でした。私の知っている女優(yōu)も出てきました。この映畫は現(xiàn)代のものでしたから、だいたいの筋は分かりました。しかし、言葉が速いので、ところどころ聞き取ることができませんでした。
日本の人たちは言葉を聞いただけで、おもしろがって笑っています。しかし、私には、どんなことがおもしろいのか分かりませんでした。それでも、以前と比べると、だいぶ分かるようになりました。
日本に來たからには、早く日本の人と同じように楽しみながら、映畫を見たり聞いたりすることができるようになりたいと思います。
會話
佐藤:李さん、こんにちは。
李?。氦长螭摔沥?。
佐藤:午後は何か予定がありますか。
李?。亥供`パーへ行って買い物をしてこようと思っています。佐藤さんはどういう予定ですか。
佐藤:映畫を見るつもりです。いっしょに行きませんか。
李 :何の映畫ですか。
佐藤:日本の劇映畫です。
李?。氦撙郡い扦工?、切符が手に入りますか。
佐藤:入ります。
李 :それじゃ、行きましょう。どこで上映しているんですか。
佐藤:新宿の映畫館です。
李 :映畫は何時からですか。
佐藤:二時半からです。二時二十分までに映畫館へ來てください。入口で待っています。
李?。氦悉?、承知しました。
(映畫を見終わって)
佐藤:とてもいい映畫でしたね。
李 :ええ。でも、佐藤さん、映畫に詳しいんですね。あんな難しい俳優(yōu)の名前をちゃんと覚えているんですね。
佐藤:そうでもありませんよ。あの映畫はずっと前から見たいと思っていたんですよ。
李?。亥谣恁ぅ螭蜓荬袱颗畠?yōu)さん、ほんとうにあの役がふさわしかったですね。
佐藤:ええ、そうですね。
李?。氦欷い恰攘Φ膜恰?。
佐藤:そういえば、彼女はあの映畫でなんか賞をもらったらしいですよ。
李?。氦饯Δ扦工?。それから…子供に甘い、あの男優(yōu)の父親の役もよかったですね。日本語に弱くて、よく聞き取れなかったんですが、あの易しい話し方は印象的でしたね。
佐藤:ええ、そうですね。いかにも日本らしいストーリーでしたね。
応用文
天平の甍——シナリオ
ナレーション
「今から千二百年前の天平年間、唐から高僧を日本へ招くという任務(wù)を與えられた留學(xué)僧一行は、半年かかって、やっと揚州に著いた。」
地図
雲(yún)岡から揚州に至るまでの道を、白い線で示す。
揚州 川の橋
普照たち、船から岸へ上がると、この國の商人や外國人の群れの中を通り、橋へ上がって行く。
(音楽、終わる)
ナレーション
「揚州は當(dāng)時、海外貿(mào)易に栄える國際都市であった?!?BR> 道抗、たち止まって指す。
道抗 「寺は、あの丘の上です?!?BR> 大明寺 の丘
道抗と普照たちが上がって來る。門の中へ入る。
鑑真の居間
渾天儀など珍しい物に鑑真の博學(xué)ぶりがうかがわれる。香爐から緩やかに煙が漂っている。
道抗の後ろに並んで座っている普照たち。
鑑真は今まで経典をひもといていたらしく、広げられた一巻を靜かにまきもどしていく。
道抗 「こちらが先程を耳に入れました、日本の僧たちでございます?!?BR> 栄叡 「奈良、興福寺の僧、栄叡と申します?!?BR> 普照 「同じく大安寺の僧、普照でございます?!?BR> 玄郎 「私も大安寺でしばらく終業(yè)しておりました。玄郎と申します。」
普照 「お弟子たちのうちより、ご推薦をよろしく……」
と鑑真を見つめて言う。靜かにうなづく鑑真。
講堂
集まっている弟子たち、三十?dāng)?shù)名。
長老の座に座っている鑑真。
普照、栄叡、玄郎、道抗たち、その傍に座って控えている。
ナレーション
「主だった鑑真の弟子たちが、各地の寺からあつめられた。」
広く、ほの暗い講堂を、重苦しい沈黙が支配している。鑑真は、一同に靜かな目を向けていたが、
鑑真 「……祥彥はどうだ?!?BR> 祥彥と呼ばれた僧は、顔をあげ、
祥彥 「日本へ行くには、広い海を渡らねばならず、百人のうち一人も辿り著かぬと聞いております?!?BR> 鑑真 「その海を、この人たちは渡って來ているではないか?!?BR> 徳清が鑑真に向い、
徳清 「しかし、大勢の者が、日本へ渡るとなれば、國は許しますまい?!?BR> 普照たち、緊張している。
鑑真はしばらく口を噤んでいたが、やがて、自分にも語りかけるように、
鑑真 「お前たちも知っている通り、百十余年前、求法の熱に燃える玄奘三蔵は、國の許しを得ぬまま、西のインドをめざして、長安を旅立った?!?BR> 聞いている栄叡たち。
鑑真 「ここにいる日本留學(xué)僧たちは、わが國の求法僧たちがインドへ向ってと同じように、仏典と授戒師を求めて、わが國へ來られたのだ。この求めに応えて、誰か日本へ渡り、戒律の法を伝えるものはないか?!?BR> 鑑真は左右の弟子たちを顧みる。
弟子たちは黙って答えない。
普照、栄叡たちは、息の飲んで弟子たちに目をそそぐ。
道抗 「どうか、私と一緒に日本へ渡ってほしいのだ?!?BR> 普照 「どなたか、お願いします。」
栄叡 「(頭をさげ)この通りです。どうか日本へ、私どもと一緒に、どうか。」
弟子たちはやはり口をひらかない。
鑑真 「(靜かに)法のためである。どんな困難があろうと、恐れてはならない?!挨郡沥肖胜い胜?、私が行くことにしよう。」
鑑真の思いがけない言葉に、弟子たちは驚きのため、恐れたように、顔をあげ、やがて、うたれたように、首を垂れる。
ファンクション用語
不満
李 今回はまた負(fù)けた、いやだね。
王 ほんとうにいやになっちゃう。
李 みんなはとても不満そうだった。
王 冗談じゃないよ。おれたちはこれほど苦労したのに。馬鹿馬鹿しい。
李 ほんとうに馬鹿にしている!
単語
入場券(にゅうじょうけん)(名)③ 入場券
見回す(みまわす)(他五)〇 環(huán)視
見付かる(みつかる)(自五)〇 找到
映る(うつる)(自五)② 映,照
劇映畫(げきえいが)(名)③ 故事片
女優(yōu)(じょゆう)(名)〇 女演員
筋(すじ)(名)① 情節(jié)
所々(ところどころ)(名)④ 多次,到處
上映(じょうえい)(名 他サ)〇 放映,上映
ヒロイン(名)② 女英雄,女主人公(heroine)
演じる(えんじる)(他一)〇 表演,扮演
役(やく)(名)② 角色
魅力的(みりょくてき)(形動)〇 有魅力的
賞(しょう)(名)① 獎品
男優(yōu)(だんゆう)(名)〇 男演員
父親(ちちおや)(名)〇 父親
いかにも(副)② 實在,的確
ストーリー(名)② 情節(jié),故事(story)
天平(てんぴょう)(専)〇 天平年號(公元729-749)
甍(いらか)(名)〇 屋頂瓦
シナリオ(名)〇 電影劇本(scenario)
ナレーション(名)② 解說,解說詞(narration)
唐(とう)(専)① 唐朝
高僧(こうそう)(名)〇 高僧
留學(xué)僧(りゅうがくそう)(名)④ 留學(xué)僧
一行(いっこう)(名)〇③ 一行
揚州(ようしゅう)(専)① 揚州(中國地名)
雲(yún)岡(うんこう)(専)① 云岡(中國地名)
普照(ふしょう)(専)① (僧名)
上がる(あがる)(自五)〇 從低處上到高處
外國人(がいこくじん)(名)① 外國人
群れ(むれ)(名)② 群,伙
道抗(どうこう)(専)① (僧名)
立ち止まる(たちどまる)(自五)〇④ 站住,停下
指す(さす)(他五)① 指,指定
大明寺(だいめいじ)(専)① (寺廟名)
鑑真(がんじん)(専)① (僧名)
居間(いま)(名)② 起居室
渾天儀(こんてんぎ)(名)③ 渾天儀
博學(xué)(はくがく)(名)〇 博學(xué)
窺う(うかがう)(他五)〇 看出,窺視
香爐(こうろ)(名)①〇 香爐
緩やか(ゆるやか)(形動)② 緩慢,寬松
漂う(ただよう)(自五)③ 漂浮
経典(けいてん)(名)〇 經(jīng)典
繙く(ひもとく)(他五)〇 翻閱
僧(そう)(名)① 僧
栄叡(ようえい)(専)① (僧名)
同じく(おなじく)(副)② 同樣的
奈良(なら)(専)① (地名)
興福寺(こうふくじ)(専)① (寺廟名)
大安寺(だいあんじ)(専)① (寺廟名)
玄郎(げんろう)(専)① (僧名)
修業(yè)(しゅぎょう)(名 自サ)〇 修行
弟子(でし)(名)② 弟子
推薦(すいせん)(名 他サ)〇 推薦
控える(ひかえる)(自一)③② 在旁邊等候
長老(ちょうろう)(名)〇③ 長老
座(ざ)(名)〇 座位
ほの暗い(ほのぐらい)(形)④〇 微暗
重苦しい(おもくるしい)(形)⑤⑥ 心情沉悶;語言呆板
沈黙(ちんもく)(名 自サ)〇 沉默
支配(しはい)(名 他サ)〇 支配
祥彥(しょうえん)(専)① (僧名)
辿り著く(たどりつく)(自五)〇④ 好容易走到
徳清(とくせい)(専)① (僧名)
緊張(きんちょう)(名 自サ)〇 緊張
口を噤む(くちをつぐむ)(慣) 閉口
語りかける(かたりかける)(他一)⑤ 開始說
お前(おまえ)(代)〇 你(用于親密的同輩及晚輩)
求法(ぐほう)(名)① 求佛法
燃える(もえる)(自一)〇 燃燒
玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)(専)①〇 唐僧(僧名)
めざす(目差す 目指す)(他五)② 以……為目標(biāo)
長安(ちょうあん)(専)① 長安(中國地名)
旅立つ(たびだつ)(自五)③ 起身,起程
仏典(ぶってん)(名)〇 佛教經(jīng)典,佛書
授戒師(じゅかいし)(名)② 授戒師
応える(こたえる)(自一)③ 響應(yīng),報答
戒律(かいりつ)(名)〇 戒律
法(ほう)(名)〇 佛法
左右(さゆう)(名)① 身旁,左面和右面
顧みる(かえりみる)(他一)④ 回頭看,回顧
息を飲む(慣) 倒吸一口氣
そそぐ(他五)〇② 貫注,集中
口を開く(くちをひらく)(組) 開口
恐れる(おそれる)(自一)③ 恐懼
思いがけない(おもいがけない)(形)⑤⑥ 意想不到
垂れる(たれる)(他一)② 垂下
一、何とも言えない(本文)
懐かしい國の景色が映った時は、何とも言えない気持ちになった。
表示無法形容,難以表達(dá),說不清。
賞をもらった時、彼は何とも言えない気持ちになった。
領(lǐng)獎的時候,他的心情真是難以表達(dá)。
あの人は本當(dāng)に何とも言えない変な人だ。
那個人真是個無法形容的怪人。
二、…からには(本文)
日本に來たからには、早く日本の人と同じように楽しみながら……
表示既然……就……。
中國に來たからには、中國の習(xí)慣に従います。
既然來了中國,就遵循中國的習(xí)慣。
嫌がるからにはそれなりの理由があるのだろう。
既然討厭,那就一定有他的理由吧。
三、いかにも(會話)
いかにも日本らしいストーリーでしたね。
和「らしい」「そうだ」呼應(yīng)使用,表示象……的樣子。
いかにもあなたらしい書き方だ。
象是你的寫法。
いかにもおいしそうに食べている。
他吃得很香似的。
四、…から…に至るまで(応用文)
雲(yún)岡から揚州に至るまでの道を白い線で示す。
表示從……到……。多用于書面語。
九月から十一月に至るまで家出論文を書き続けた。
從九月到十一月,我在家寫論文。
九州から北海道に至るまでの広い地域が臺風(fēng)に見舞われたそうだ。
聽說從九州到北海道的廣大地區(qū)受到了臺風(fēng)的襲擊。
五、「より」表示起點或來由(応用文)
「お弟子たちのうちより、ご推薦をよろしく、……」と鑑真を見つめて言う。
表示起點或來由。與「から」相同。
遠(yuǎn)くの方より昔の友人がやってきた。
老朋友從遠(yuǎn)方來了。
失敗は不注意より生ずることが多い。
失敗大多由于疏忽。
六、…となれば(応用文)
おおぜいの者が、日本へ渡るとなれば、國は許しますまい。
表示提起一個話題。相當(dāng)于提到……,說起……,至于……,要是……的話。
あの人は、ふだんは冗談ばかり言っていますが、仕事の話となれば、急にまじめになりますね。
那個人平時經(jīng)常說笑。但一談起工作就突然變得認(rèn)真起來。
敬語を使うとなれば、難しいですよ。
說起用敬語,很難哦。
七、「う(よう)と」(応用文)
どんな困難があろうと、恐れてはならない。
動詞未然形+[う」+「と」,或者動詞+「まい」+「と」,表示逆態(tài)假定前提。和「でも」相同,表示即使……也……,無論……都……。
だれに何と言われようとかまわない。
不管誰說什么我也不在乎。
行こうと行くまいとぼくの勝手だ。
去不去是我的自由。
八、ではならない(応用文)
どんな困難があろうと、恐れてはならない。
表示按一般道理不可以做某事。多用于書面語。
いくら失敗してもあきらめてはならない。
無論失敗多少次都不要放棄。
ベテランだからといって油斷をしてはならない。
即使是老手也不能疏忽大意。
九、慣用語「息を飲む」(応用文)
普照、栄叡たちは息を飲んで弟子たちに目をそそぐ。
表示由于緊張、吃驚等喘不過氣。
思いがけないドラマの終わりに、私はあっと息を飲んだ。
電視劇意想不到的結(jié)局,是我深感吃驚。
みな息を飲んでサーカスの演技を見ている。
大家都提著心,緊張的看著雜技團(tuán)的演出。
十、思いがけない(応用文)
鑑真の思いがけない言葉に弟子たちは驚きのため、恐れたように、……
表示意想不到。相當(dāng)于「考えていない」、「思ってもいない」。
昨日、銀座で思いがけない人に會ったよ。だれだと思う?
昨天,我在銀座碰到了意想不到的人,你猜是誰?
その調(diào)査の結(jié)果、思いがけない事実が明らかになった。
調(diào)查的結(jié)果,弄清了一件意想不到的事實。
土曜日の午後、學(xué)校が終わってから、日本の友達(dá)と映畫を見に行きました。入場券を買おうと思っていると、友達(dá)が先に行って私のも買ってくれました。
映畫館に入りました。映畫はもう始まっていました。どこかに席はないかと思って、辺りを見回しましたが、暗くて何も見えません。しかたがないので、しばらく後ろに立って見ていました。目が慣れてくるに従ってあたりが少しずつ見え始めました。真ん中あたりに、空いている席が二つ見付かりましたので、急いでいって友達(dá)と並んで腰掛けました。
始めはニュース映畫でした。私の國のこともニュース映畫に出てきました。懐かしい國の景色が映った時は、何とも言えない気持ちになりました。
ニュース映畫の次は日本の劇映畫でした。私の知っている女優(yōu)も出てきました。この映畫は現(xiàn)代のものでしたから、だいたいの筋は分かりました。しかし、言葉が速いので、ところどころ聞き取ることができませんでした。
日本の人たちは言葉を聞いただけで、おもしろがって笑っています。しかし、私には、どんなことがおもしろいのか分かりませんでした。それでも、以前と比べると、だいぶ分かるようになりました。
日本に來たからには、早く日本の人と同じように楽しみながら、映畫を見たり聞いたりすることができるようになりたいと思います。
會話
佐藤:李さん、こんにちは。
李?。氦长螭摔沥?。
佐藤:午後は何か予定がありますか。
李?。亥供`パーへ行って買い物をしてこようと思っています。佐藤さんはどういう予定ですか。
佐藤:映畫を見るつもりです。いっしょに行きませんか。
李 :何の映畫ですか。
佐藤:日本の劇映畫です。
李?。氦撙郡い扦工?、切符が手に入りますか。
佐藤:入ります。
李 :それじゃ、行きましょう。どこで上映しているんですか。
佐藤:新宿の映畫館です。
李 :映畫は何時からですか。
佐藤:二時半からです。二時二十分までに映畫館へ來てください。入口で待っています。
李?。氦悉?、承知しました。
(映畫を見終わって)
佐藤:とてもいい映畫でしたね。
李 :ええ。でも、佐藤さん、映畫に詳しいんですね。あんな難しい俳優(yōu)の名前をちゃんと覚えているんですね。
佐藤:そうでもありませんよ。あの映畫はずっと前から見たいと思っていたんですよ。
李?。亥谣恁ぅ螭蜓荬袱颗畠?yōu)さん、ほんとうにあの役がふさわしかったですね。
佐藤:ええ、そうですね。
李?。氦欷い恰攘Φ膜恰?。
佐藤:そういえば、彼女はあの映畫でなんか賞をもらったらしいですよ。
李?。氦饯Δ扦工?。それから…子供に甘い、あの男優(yōu)の父親の役もよかったですね。日本語に弱くて、よく聞き取れなかったんですが、あの易しい話し方は印象的でしたね。
佐藤:ええ、そうですね。いかにも日本らしいストーリーでしたね。
応用文
天平の甍——シナリオ
ナレーション
「今から千二百年前の天平年間、唐から高僧を日本へ招くという任務(wù)を與えられた留學(xué)僧一行は、半年かかって、やっと揚州に著いた。」
地図
雲(yún)岡から揚州に至るまでの道を、白い線で示す。
揚州 川の橋
普照たち、船から岸へ上がると、この國の商人や外國人の群れの中を通り、橋へ上がって行く。
(音楽、終わる)
ナレーション
「揚州は當(dāng)時、海外貿(mào)易に栄える國際都市であった?!?BR> 道抗、たち止まって指す。
道抗 「寺は、あの丘の上です?!?BR> 大明寺 の丘
道抗と普照たちが上がって來る。門の中へ入る。
鑑真の居間
渾天儀など珍しい物に鑑真の博學(xué)ぶりがうかがわれる。香爐から緩やかに煙が漂っている。
道抗の後ろに並んで座っている普照たち。
鑑真は今まで経典をひもといていたらしく、広げられた一巻を靜かにまきもどしていく。
道抗 「こちらが先程を耳に入れました、日本の僧たちでございます?!?BR> 栄叡 「奈良、興福寺の僧、栄叡と申します?!?BR> 普照 「同じく大安寺の僧、普照でございます?!?BR> 玄郎 「私も大安寺でしばらく終業(yè)しておりました。玄郎と申します。」
普照 「お弟子たちのうちより、ご推薦をよろしく……」
と鑑真を見つめて言う。靜かにうなづく鑑真。
講堂
集まっている弟子たち、三十?dāng)?shù)名。
長老の座に座っている鑑真。
普照、栄叡、玄郎、道抗たち、その傍に座って控えている。
ナレーション
「主だった鑑真の弟子たちが、各地の寺からあつめられた。」
広く、ほの暗い講堂を、重苦しい沈黙が支配している。鑑真は、一同に靜かな目を向けていたが、
鑑真 「……祥彥はどうだ?!?BR> 祥彥と呼ばれた僧は、顔をあげ、
祥彥 「日本へ行くには、広い海を渡らねばならず、百人のうち一人も辿り著かぬと聞いております?!?BR> 鑑真 「その海を、この人たちは渡って來ているではないか?!?BR> 徳清が鑑真に向い、
徳清 「しかし、大勢の者が、日本へ渡るとなれば、國は許しますまい?!?BR> 普照たち、緊張している。
鑑真はしばらく口を噤んでいたが、やがて、自分にも語りかけるように、
鑑真 「お前たちも知っている通り、百十余年前、求法の熱に燃える玄奘三蔵は、國の許しを得ぬまま、西のインドをめざして、長安を旅立った?!?BR> 聞いている栄叡たち。
鑑真 「ここにいる日本留學(xué)僧たちは、わが國の求法僧たちがインドへ向ってと同じように、仏典と授戒師を求めて、わが國へ來られたのだ。この求めに応えて、誰か日本へ渡り、戒律の法を伝えるものはないか?!?BR> 鑑真は左右の弟子たちを顧みる。
弟子たちは黙って答えない。
普照、栄叡たちは、息の飲んで弟子たちに目をそそぐ。
道抗 「どうか、私と一緒に日本へ渡ってほしいのだ?!?BR> 普照 「どなたか、お願いします。」
栄叡 「(頭をさげ)この通りです。どうか日本へ、私どもと一緒に、どうか。」
弟子たちはやはり口をひらかない。
鑑真 「(靜かに)法のためである。どんな困難があろうと、恐れてはならない?!挨郡沥肖胜い胜?、私が行くことにしよう。」
鑑真の思いがけない言葉に、弟子たちは驚きのため、恐れたように、顔をあげ、やがて、うたれたように、首を垂れる。
ファンクション用語
不満
李 今回はまた負(fù)けた、いやだね。
王 ほんとうにいやになっちゃう。
李 みんなはとても不満そうだった。
王 冗談じゃないよ。おれたちはこれほど苦労したのに。馬鹿馬鹿しい。
李 ほんとうに馬鹿にしている!
単語
入場券(にゅうじょうけん)(名)③ 入場券
見回す(みまわす)(他五)〇 環(huán)視
見付かる(みつかる)(自五)〇 找到
映る(うつる)(自五)② 映,照
劇映畫(げきえいが)(名)③ 故事片
女優(yōu)(じょゆう)(名)〇 女演員
筋(すじ)(名)① 情節(jié)
所々(ところどころ)(名)④ 多次,到處
上映(じょうえい)(名 他サ)〇 放映,上映
ヒロイン(名)② 女英雄,女主人公(heroine)
演じる(えんじる)(他一)〇 表演,扮演
役(やく)(名)② 角色
魅力的(みりょくてき)(形動)〇 有魅力的
賞(しょう)(名)① 獎品
男優(yōu)(だんゆう)(名)〇 男演員
父親(ちちおや)(名)〇 父親
いかにも(副)② 實在,的確
ストーリー(名)② 情節(jié),故事(story)
天平(てんぴょう)(専)〇 天平年號(公元729-749)
甍(いらか)(名)〇 屋頂瓦
シナリオ(名)〇 電影劇本(scenario)
ナレーション(名)② 解說,解說詞(narration)
唐(とう)(専)① 唐朝
高僧(こうそう)(名)〇 高僧
留學(xué)僧(りゅうがくそう)(名)④ 留學(xué)僧
一行(いっこう)(名)〇③ 一行
揚州(ようしゅう)(専)① 揚州(中國地名)
雲(yún)岡(うんこう)(専)① 云岡(中國地名)
普照(ふしょう)(専)① (僧名)
上がる(あがる)(自五)〇 從低處上到高處
外國人(がいこくじん)(名)① 外國人
群れ(むれ)(名)② 群,伙
道抗(どうこう)(専)① (僧名)
立ち止まる(たちどまる)(自五)〇④ 站住,停下
指す(さす)(他五)① 指,指定
大明寺(だいめいじ)(専)① (寺廟名)
鑑真(がんじん)(専)① (僧名)
居間(いま)(名)② 起居室
渾天儀(こんてんぎ)(名)③ 渾天儀
博學(xué)(はくがく)(名)〇 博學(xué)
窺う(うかがう)(他五)〇 看出,窺視
香爐(こうろ)(名)①〇 香爐
緩やか(ゆるやか)(形動)② 緩慢,寬松
漂う(ただよう)(自五)③ 漂浮
経典(けいてん)(名)〇 經(jīng)典
繙く(ひもとく)(他五)〇 翻閱
僧(そう)(名)① 僧
栄叡(ようえい)(専)① (僧名)
同じく(おなじく)(副)② 同樣的
奈良(なら)(専)① (地名)
興福寺(こうふくじ)(専)① (寺廟名)
大安寺(だいあんじ)(専)① (寺廟名)
玄郎(げんろう)(専)① (僧名)
修業(yè)(しゅぎょう)(名 自サ)〇 修行
弟子(でし)(名)② 弟子
推薦(すいせん)(名 他サ)〇 推薦
控える(ひかえる)(自一)③② 在旁邊等候
長老(ちょうろう)(名)〇③ 長老
座(ざ)(名)〇 座位
ほの暗い(ほのぐらい)(形)④〇 微暗
重苦しい(おもくるしい)(形)⑤⑥ 心情沉悶;語言呆板
沈黙(ちんもく)(名 自サ)〇 沉默
支配(しはい)(名 他サ)〇 支配
祥彥(しょうえん)(専)① (僧名)
辿り著く(たどりつく)(自五)〇④ 好容易走到
徳清(とくせい)(専)① (僧名)
緊張(きんちょう)(名 自サ)〇 緊張
口を噤む(くちをつぐむ)(慣) 閉口
語りかける(かたりかける)(他一)⑤ 開始說
お前(おまえ)(代)〇 你(用于親密的同輩及晚輩)
求法(ぐほう)(名)① 求佛法
燃える(もえる)(自一)〇 燃燒
玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)(専)①〇 唐僧(僧名)
めざす(目差す 目指す)(他五)② 以……為目標(biāo)
長安(ちょうあん)(専)① 長安(中國地名)
旅立つ(たびだつ)(自五)③ 起身,起程
仏典(ぶってん)(名)〇 佛教經(jīng)典,佛書
授戒師(じゅかいし)(名)② 授戒師
応える(こたえる)(自一)③ 響應(yīng),報答
戒律(かいりつ)(名)〇 戒律
法(ほう)(名)〇 佛法
左右(さゆう)(名)① 身旁,左面和右面
顧みる(かえりみる)(他一)④ 回頭看,回顧
息を飲む(慣) 倒吸一口氣
そそぐ(他五)〇② 貫注,集中
口を開く(くちをひらく)(組) 開口
恐れる(おそれる)(自一)③ 恐懼
思いがけない(おもいがけない)(形)⑤⑥ 意想不到
垂れる(たれる)(他一)② 垂下
一、何とも言えない(本文)
懐かしい國の景色が映った時は、何とも言えない気持ちになった。
表示無法形容,難以表達(dá),說不清。
賞をもらった時、彼は何とも言えない気持ちになった。
領(lǐng)獎的時候,他的心情真是難以表達(dá)。
あの人は本當(dāng)に何とも言えない変な人だ。
那個人真是個無法形容的怪人。
二、…からには(本文)
日本に來たからには、早く日本の人と同じように楽しみながら……
表示既然……就……。
中國に來たからには、中國の習(xí)慣に従います。
既然來了中國,就遵循中國的習(xí)慣。
嫌がるからにはそれなりの理由があるのだろう。
既然討厭,那就一定有他的理由吧。
三、いかにも(會話)
いかにも日本らしいストーリーでしたね。
和「らしい」「そうだ」呼應(yīng)使用,表示象……的樣子。
いかにもあなたらしい書き方だ。
象是你的寫法。
いかにもおいしそうに食べている。
他吃得很香似的。
四、…から…に至るまで(応用文)
雲(yún)岡から揚州に至るまでの道を白い線で示す。
表示從……到……。多用于書面語。
九月から十一月に至るまで家出論文を書き続けた。
從九月到十一月,我在家寫論文。
九州から北海道に至るまでの広い地域が臺風(fēng)に見舞われたそうだ。
聽說從九州到北海道的廣大地區(qū)受到了臺風(fēng)的襲擊。
五、「より」表示起點或來由(応用文)
「お弟子たちのうちより、ご推薦をよろしく、……」と鑑真を見つめて言う。
表示起點或來由。與「から」相同。
遠(yuǎn)くの方より昔の友人がやってきた。
老朋友從遠(yuǎn)方來了。
失敗は不注意より生ずることが多い。
失敗大多由于疏忽。
六、…となれば(応用文)
おおぜいの者が、日本へ渡るとなれば、國は許しますまい。
表示提起一個話題。相當(dāng)于提到……,說起……,至于……,要是……的話。
あの人は、ふだんは冗談ばかり言っていますが、仕事の話となれば、急にまじめになりますね。
那個人平時經(jīng)常說笑。但一談起工作就突然變得認(rèn)真起來。
敬語を使うとなれば、難しいですよ。
說起用敬語,很難哦。
七、「う(よう)と」(応用文)
どんな困難があろうと、恐れてはならない。
動詞未然形+[う」+「と」,或者動詞+「まい」+「と」,表示逆態(tài)假定前提。和「でも」相同,表示即使……也……,無論……都……。
だれに何と言われようとかまわない。
不管誰說什么我也不在乎。
行こうと行くまいとぼくの勝手だ。
去不去是我的自由。
八、ではならない(応用文)
どんな困難があろうと、恐れてはならない。
表示按一般道理不可以做某事。多用于書面語。
いくら失敗してもあきらめてはならない。
無論失敗多少次都不要放棄。
ベテランだからといって油斷をしてはならない。
即使是老手也不能疏忽大意。
九、慣用語「息を飲む」(応用文)
普照、栄叡たちは息を飲んで弟子たちに目をそそぐ。
表示由于緊張、吃驚等喘不過氣。
思いがけないドラマの終わりに、私はあっと息を飲んだ。
電視劇意想不到的結(jié)局,是我深感吃驚。
みな息を飲んでサーカスの演技を見ている。
大家都提著心,緊張的看著雜技團(tuán)的演出。
十、思いがけない(応用文)
鑑真の思いがけない言葉に弟子たちは驚きのため、恐れたように、……
表示意想不到。相當(dāng)于「考えていない」、「思ってもいない」。
昨日、銀座で思いがけない人に會ったよ。だれだと思う?
昨天,我在銀座碰到了意想不到的人,你猜是誰?
その調(diào)査の結(jié)果、思いがけない事実が明らかになった。
調(diào)查的結(jié)果,弄清了一件意想不到的事實。