本課課文
手紙の文例集などに時候の挨拶の「決まり文句」が列記されています。その中から春の挨拶のいくつかを拾い出して見ましょう。
2月 余寒なお厳しき折から、立春とは名ばかりで。
3月 早春の候、寒さもようやく緩み、菜の花は今が盛り。
4月 春たけなわ、野も山も花の春、陽(晩)春の候。
5月 風(fēng)薫る5月、新緑の目にしみる昨今、惜春の候。
これを見ると、日本の季節(jié)変化が短い言葉でうまく表現(xiàn)されているのに、あらためて感心してしまいます。しかし、これらは東京、大阪など日本の真ん中辺りの地域に當(dāng)てはまる表現(xiàn)です。細(xì)長い日本列島の北と南では、春の季節(jié)感がずいぶん違うはずです。その辺の所を気候表の數(shù)字で裏付けてみましょう。
気溫は月の始めと終わりや一日の晝と夜で異なり、年によっても変動しますが、この表の値は、年にわたった、それらの一切を平均したものです。月平均気溫の平年値は、その月の15日ごろの日平均気溫の平年値と大體同じです。
そんな目で、この表を見ると、各地の季節(jié)のズレの見當(dāng)がつきます。例えば:東京の四月中ごろの気溫は、鹿児島の三月末か四月初めころと同じで季節(jié)差は15日ぐらいです。そして、札幌の四月中ごろの気溫は、東京の三月始めごろの気溫で、季節(jié)は40日程度と言うことが分かります。つまり、札幌と鹿児島とでは2ヶ月のズレがあることになります。
もう、だいぶ前のことになりますが、東京から札幌に転勤したときのことです。東京をたつ前夜は、住居の近くの桜並木は夜目にも白い花明かりで、暖かいそよ風(fēng)が頬を撫でていたのですが、翌日の千歳空港は橫毆りの吹雪で、札幌は街路樹はまだ冬木立でした。お花見をしたのは40日後の5月中旬のことでした。
それから數(shù)年後に、今度は、やはり花の都を後にして鹿児島に著任しました。その時は、桜はすでに散っており、初夏を思わせる日差しを浴びてクスの若葉が輝き、真っ赤なツツジの花が新緑の中に燃え始めていました。
降水量が適當(dāng)にある地域について、気候表の月平均気溫から自然界の様子を知る大まかな目安を記しておきましょう。
(0度以下) 土壌水分が凍結(jié)しており、植物の生活は停止している。一面の雪景色。
(0度~5度) 雪がゆったり、冷たい雨がゆったり。春は時折の雪解け、泥んこ道の季節(jié)。秋は木々は落葉しており、平野には積雪が現(xiàn)れたり消えたり、山は完全な積雪。
(5度~10度) 春はまだ枯木立が多いんが、枝に緑の芽が見え。早春の花が咲き始める。秋は完全紅葉から落葉まで。
(10度~15度) 春は木々の花の咲き始めから、新緑まで。秋は木々の葉の色づき始めから、完全紅葉まで。雨が降れば寒く感じる。
(15度~20度) 新緑から濃緑へ。東京でと言えば5月と10月の平均気溫。濕度が適當(dāng)で青空ならば、この上なく爽やかで明るい季節(jié)。ヨーロッパの夏の平均気溫。
(20度~25度) 梅雨時と秋の長雨のころの平均気溫。蒸し暑さを感じる。
(25度以上) 日本人が盛夏と感じる平均気溫。真夏日。熱帯夜が現(xiàn)れる。
軽井沢の測候所の高さは999メートルです。その高さゆえに、東京からそれほど遠(yuǎn)くはないのに、気溫は約800キロメートル北の平野の札幌の気溫と同じになっているのです。気溫は普通、高さ1000メートルにつき、約6度の割合で下がります。東京付近では春の気溫6度の差は約40日の季節(jié)差に相當(dāng)します。
表の數(shù)字から気がつくもう一つの點は、山國や北國の春のテンポの速さです。3月から5月にかけて気溫の上昇幅は、那覇は5.7度、鹿児島は8.6度、東京は10.0度、札幌は12.4度、軽井沢は12.0度と、北ほど、また高い所ほど大きくなっているのです。北國や山國の春は遅いけれども、はじけるように始めるのです。
手紙の文例集などに時候の挨拶の「決まり文句」が列記されています。その中から春の挨拶のいくつかを拾い出して見ましょう。
2月 余寒なお厳しき折から、立春とは名ばかりで。
3月 早春の候、寒さもようやく緩み、菜の花は今が盛り。
4月 春たけなわ、野も山も花の春、陽(晩)春の候。
5月 風(fēng)薫る5月、新緑の目にしみる昨今、惜春の候。
これを見ると、日本の季節(jié)変化が短い言葉でうまく表現(xiàn)されているのに、あらためて感心してしまいます。しかし、これらは東京、大阪など日本の真ん中辺りの地域に當(dāng)てはまる表現(xiàn)です。細(xì)長い日本列島の北と南では、春の季節(jié)感がずいぶん違うはずです。その辺の所を気候表の數(shù)字で裏付けてみましょう。
気溫は月の始めと終わりや一日の晝と夜で異なり、年によっても変動しますが、この表の値は、年にわたった、それらの一切を平均したものです。月平均気溫の平年値は、その月の15日ごろの日平均気溫の平年値と大體同じです。
そんな目で、この表を見ると、各地の季節(jié)のズレの見當(dāng)がつきます。例えば:東京の四月中ごろの気溫は、鹿児島の三月末か四月初めころと同じで季節(jié)差は15日ぐらいです。そして、札幌の四月中ごろの気溫は、東京の三月始めごろの気溫で、季節(jié)は40日程度と言うことが分かります。つまり、札幌と鹿児島とでは2ヶ月のズレがあることになります。
もう、だいぶ前のことになりますが、東京から札幌に転勤したときのことです。東京をたつ前夜は、住居の近くの桜並木は夜目にも白い花明かりで、暖かいそよ風(fēng)が頬を撫でていたのですが、翌日の千歳空港は橫毆りの吹雪で、札幌は街路樹はまだ冬木立でした。お花見をしたのは40日後の5月中旬のことでした。
それから數(shù)年後に、今度は、やはり花の都を後にして鹿児島に著任しました。その時は、桜はすでに散っており、初夏を思わせる日差しを浴びてクスの若葉が輝き、真っ赤なツツジの花が新緑の中に燃え始めていました。
降水量が適當(dāng)にある地域について、気候表の月平均気溫から自然界の様子を知る大まかな目安を記しておきましょう。
(0度以下) 土壌水分が凍結(jié)しており、植物の生活は停止している。一面の雪景色。
(0度~5度) 雪がゆったり、冷たい雨がゆったり。春は時折の雪解け、泥んこ道の季節(jié)。秋は木々は落葉しており、平野には積雪が現(xiàn)れたり消えたり、山は完全な積雪。
(5度~10度) 春はまだ枯木立が多いんが、枝に緑の芽が見え。早春の花が咲き始める。秋は完全紅葉から落葉まで。
(10度~15度) 春は木々の花の咲き始めから、新緑まで。秋は木々の葉の色づき始めから、完全紅葉まで。雨が降れば寒く感じる。
(15度~20度) 新緑から濃緑へ。東京でと言えば5月と10月の平均気溫。濕度が適當(dāng)で青空ならば、この上なく爽やかで明るい季節(jié)。ヨーロッパの夏の平均気溫。
(20度~25度) 梅雨時と秋の長雨のころの平均気溫。蒸し暑さを感じる。
(25度以上) 日本人が盛夏と感じる平均気溫。真夏日。熱帯夜が現(xiàn)れる。
軽井沢の測候所の高さは999メートルです。その高さゆえに、東京からそれほど遠(yuǎn)くはないのに、気溫は約800キロメートル北の平野の札幌の気溫と同じになっているのです。気溫は普通、高さ1000メートルにつき、約6度の割合で下がります。東京付近では春の気溫6度の差は約40日の季節(jié)差に相當(dāng)します。
表の數(shù)字から気がつくもう一つの點は、山國や北國の春のテンポの速さです。3月から5月にかけて気溫の上昇幅は、那覇は5.7度、鹿児島は8.6度、東京は10.0度、札幌は12.4度、軽井沢は12.0度と、北ほど、また高い所ほど大きくなっているのです。北國や山國の春は遅いけれども、はじけるように始めるのです。